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前立腺がんは早期発見・早期治療が大切です。前立腺がんの原因、症状、検査、治療を知っておきましょう!

前立腺がんのステージ(病期)分類


前立腺がんは骨に転移しやすい

 前立腺がんは外腺(前立腺の外側)から多く発症しますが、がんが進行すると周囲の膀胱や尿道、精嚢などに転移するようになります。がんの転移の仕方には2種類あり、血液中にガン細胞が入り込んで全身に広がる血行性転移と、リンパ節から広がっていくリンパ行性転移があります。

 血行性転移を起こすとガン細胞が椎骨の静脈を伝わって骨に転移するため、骨盤や下部腰椎、大腿骨などにガンが転移するようになります。一方、リンパ行性転移を起こすと前立腺周辺のリンパ節からガン細胞が入り込み、骨盤リンパ節や仙骨、膀胱などへ転移するようになります。

 このような前立腺がんの転移や広がりの状況を分類したものをステージ、または病期といい、分類方法には「ABCD分類」と「TNM分類」があります。


前立腺がんのステージ分類(ABCD分類)

 ABCD分類は癌腫瘍の進行度を大きくA〜Dの4段階に分類したもので、日本泌尿器科学会と日本病理学会が定めた分類法です。ABCD分類はAからDに行くにしたがって進行していると理解でき、患者にとってはわかりやすいのですが、最近ではあまり使われなくなっている分類法です。

≪病期A≫
 がんが極めて小さく、臨床的には前立腺がんと判断されないが、前立腺の手術の際に摘出した組織を検査した結果、偶然にがんが発見される状態

A1: 局限性の高分化型腺がん
A2: 中分化型腺がんか低分化型腺がん、または複数の病巣が前立腺内に存在する


≪病期B≫
 がんが前立腺内に限局している状態

B0: 直腸診ではわからないが、PSA値が高い事から精密検査で発見される
B1: 片葉内に単発的に存在する腫瘍
B2: 片葉全体、または両葉に腫瘍がある状態


≪病期C≫
 がんが前立腺の周囲にとどまっているものの、前立腺被膜を越えているか、精嚢に浸潤している状態

C1: 臨床的に前立腺被膜外にがんが浸潤していることが確認されたもの
C2: 膀胱頸部、または尿管に閉塞が起こっているもの


≪病期D≫
 前立腺以外の組織(骨、リンパ節、遠くの臓器)に転移している状態

D0: 臨床的に転移が認められていないものの、血清酸性ホスファターゼが持続的に上昇し、転移が強く疑われるもの
D1: 所属リンパ節に転移している
D2: 所属リンパ節以外のリンパ節への転移、骨やその他の臓器への転移が認められるもの
D3: D2への適切な内分泌療法後に再発したもの



前立腺がんのステージ分類(TNM分類)

 TNM分類は、がんの大きさ(T分類)、リンパ節転移の有無(N分類)、遠隔転移の有無(M分類)の3つに分けて分類する方法で、国際対がん連合(UICC)が作成したものです。現在はABCD分類よりも、このTNM分類が用いられています。

 Tは前立腺がんの大きさや広がりを表しており、それに続く数字が大きくなるほど、がんの広がりが大きいことを表します。例えば、T1とT2は癌が前立腺内に留まっており、T3は前立腺の被膜を破って外まで出た状態、T4は隣接する臓器などに広がっていることを意味します。

 Nはリンパ節への転移の有無を表し、Mは前立腺がんから離れた臓器等への転移の有無を表します。患者の状況に合わせてT・N・Mそれぞれの適した分類を選択し、つなげて表します。例えば、T1aN0M0と表した場合は、癌が前立腺内に留まっており、リンパ節転移と遠隔転移のいずれもないことを意味します。

TNM分類
T1a 直腸診や画像検査で見つからないが、前立腺肥大症などの手術時に偶然発見された場合(組織の5%以下)
T1b 直腸診や画像検査で見つからないが、前立腺肥大症などの手術時に偶然発見された場合(組織の5%より多い)
T1c 直腸診や画像検査で見つからないが、針生検によって癌が確認された場合
T2a 癌が前立腺の左右どちらかの1/2までにとどまっている
T2b 癌が前立腺の左右どちらかの1/2を超えているが、片側にとどまっている
T2c 癌が前立腺の左右どちらにもあるが、前立腺内にとどまっている
T3a 癌が前立腺を覆う被膜を超えて広がっている
T3b 癌が精嚢まで達している
T4 癌が前立腺に隣接する臓器等(膀胱、直腸、骨髄壁など)に広がっている
N0 リンパ節転移がない
N1 リンパ節に転移している
M0 遠隔転移がない
M1 前立腺から離れた臓器やリンパ節、骨への転移がある